そして積読消化とか言いつつも

体調不良から軽く微熱でも出しているのか、今日の日中はどーにも真面目に小説を読む気が起こらず、プラモを組み立てた後は延々とダラダラと漫画本の消化 & 再読をメインで進めたりしていたんですが。
とりあえずその読んだ漫画の中から、今日は先週に引き続き、「もやしもん」 の作者である石川雅之氏の作品で、先日の id:ARR様からのコメント (多謝!) でも推薦のあった、「人斬り竜馬」 と 「週間石川雅之」 をちょいと紹介してみたり。


人斬り龍馬 (SPコミックス)

人斬り龍馬 (SPコミックス)



まずは、主に江戸〜幕末期を舞台とした所謂時代劇的な作品を集めた短編集 「人斬り竜馬」 の方についてですが。
んー……実は正直な話、自分は漫画でも小説でもTVドラマでも、基本的にあまり “時代劇” 的な作品を読まない・観ない人間なので、果たしてこの作品が時代劇作品としてどれくらい面白いのかは良く分かりませんが、でもタイトル作品でもある 「人斬り竜馬」 なんかは、一種の歴史の “if” 的な世界・解釈という意味では、なかなかに面白い作品だったように思えましたねー。
果たして、あの幕末の世を駆け抜けた坂本竜馬という男は本当は如何なる人間であったのか。何者かによって討たれるまで、彼は歴史の裏ではどのような動きを見せていたのか。
まぁ実際には、このような空想の物語の上でではなく、事実として彼が成し遂げた功績ってヤツを考えると、果たしてここまで荒唐無稽的な活躍を出来ただろうか、という疑問は当然のようにあったりもするんですが……でも一方で、実際に彼がこれくらいド派手な活躍を歴史の裏でしていたなら、そりゃあ確実に時代を動かす要因となっていただろうなー、と思うとなかなかに興味深いものもあったりしまして。
個人的には、どーせならもうちょっと話数を多く使って深く長く語られてもイイ・彼がこのような行動をしていた理由とかについてももう少し詳しく語られていると面白かったのになー……とか思ったりもしますが、話を綺麗に簡潔にまとめるというのも上手な作品の作り手に求められる技術と考えれば、まぁこれはこれで上手くまとまっていて良い短編作品となっていると言えるかも知れませんねー。




週刊 石川雅之 (イブニングKC)

週刊 石川雅之 (イブニングKC)



んでもって続いては、今度は現代日本を舞台にした作品が中心で集められている短編集 「週間石川雅之」 の方についてですが。
いやー……何というか、とにかくもうただ只管に 「何この内容盛り沢山の短編集は!?」 というカンジの一冊でしたねー、この本ってば。基本的には、ギャグというかお笑い的な話ばかりなんですが、その中にちょっとだけ、読了後にふと何かを考えさせられるようなテイストの作品が入っているというのが、全体を通じて何ともイイ塩梅になってまして。
そしてこの数々の収録作品の中でも、とあるニワトリの親子の家出話を描いた 「フランスの国鳥」 って作品が個人的には特にイチオシってカンジでして。ニワトリの親子達の絵自体は、もやしもんの菌にも通じるようなマスコット的にデフォルメされた可愛いカンジであるにも関わらず、彼らが繰り広げる家出話のエピソードの方は、何ともイイ感じのシリアスさみたいなものを持ってまして。いやはや、ネームといいコマ割りといい、とにかくこいつはかなり上質な短編だと思えましたねー。
あと、こちらは全体的にギャグの要素が多いものの、若い頃に殺し屋を営んでいた男の今の平凡な生活を描いた 「WILD BOYS BLUES」 も、これはこれで個人的にはかなりオススメだったりしまして。たとえ一流の殺し屋であっても、その血生臭い世界から足を洗って生活をし続けているとどうなるのか。クールなヒーローが悪役相手に大立ち回りで活躍して最後はヒロインと結ばれるといった、演出のみが派手でストーリーは安直という、悪い意味でのハリウッド的映画を観た後に読むと、更に面白く読めるんじゃないかなー……ってなカンジでしょうか、こちらは(^^;
まぁとにかく、何れも粒揃いの作品が揃っているのは間違いないので、こちらは自分みたいに時代劇とかの知識が無いような方にもオススメですよー。


→ 合計:039冊(小説19冊 / 漫画16冊 / その他4冊)