そして漫画に続いては

2冊ほど、どちらも小説では無いんですが、最近読んだ中で結構面白かった本なんぞを取り上げてみたりー。


笑う食卓―面白南極料理人 (新潮文庫)

笑う食卓―面白南極料理人 (新潮文庫)

とりあえず1冊目は、先月上野の博物館の南極展に行ったその勢いで購入 & パラパラと読んでいた、海上保安官である西村敦氏の南極ドーム基地での生活 (主に食生活) を綴った旅行記というか料理エッセイ本で、「面白南極料理人 笑う食卓」 という本なんですが。
いやー……こーいう、南極の更に奥地にあるドーム基地での、(マスコミが間違っても取り上げないし、ましてや学校とかで習うこともまず無いという意味での) 知られざる人々の食生活的な文章を読んでいると、やっぱり人間と言うのは、“食欲” という欲望から逃げられない生き物なんだなー、というコトをしみじみと実感しますねー(笑)。
恐らくジャンルとしては、南極という環境・作品の舞台(?)はかなり特殊な部類に入るかとは思いますが、一応は旅行記風味の料理エッセイ本という位置付けになるであろうと思われるこの本なんですが、ただ単にその南極での日々やそこで作った料理の名前を書き綴っているだけでなく、いくつかは実際のレシピなんかも載っていたりするので、南極などという極地での生活に興味があって、尚且つ料理も好きだという人はかなり楽しく読めるのではないでしょうか。
や、まぁどっちか1ジャンルにしか興味が無くたって、それでも十分に面白い本ではあるんですけどね、えぇ(^^;




んでもって続いては、TRPGのシステムの1つである 「ダブルクロス」 のデザイナーである矢野俊策氏自らがGM & 執筆を手掛けたダブルクロスのリプレイ、「ダブルクロス・リプレイ・オリジン 未来の絆」 についてなんですが。
……って、最近このblogでTRPG関係のコトなんて一切書いてなかったから、既にこの時点で、何人のココを見て下さっている方の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでるかしらー(汗)。えーと、何だかちと投げっ放しジャーマン的な説明で申し訳ないんですが、とりあえずTRPGとかリプレイといった単語が分からないという方は、他のもっとキチンとした説明が書かれているサイト様とかを参照して下さるか、もしくは以下の文章は読み飛ばして下さい。多分、その辺の単語とかが分からないとちっとも面白く無い文章が続くので m(_ _;)m


……というワケで、一応のお断りも入れた上で、以下このリプレイについての感想なんですが。
いやー……何つーか、以前から矢野先生の書くリプレイっていうのは (システムを問わず) 良作が多いよなー、と思っていたんですが、今回のリプレイはそれらの更に上を行く面白さでしたよ、ハイ。
まぁこれには多分に、使っているゲームシステムがご自身がデザインされたシステムだということで、このゲームシステム・世界観では何が表現できるか、何を主題・テーマとした物語が紡げるか、というコトをよく知っているというアドバンテージもあったであろうとは思われるんですが……しかしそれにしたって、異能者と一般人との境界という苦悩や人間の成長といった題材等、最早単にゲームシステムや遊び方を読者に提示するという枠を超えて、1つの読み物としても楽しめる出来だったように思えましたねー。
あとは、これがこのリプレイシリーズの最終巻だからといって、無闇にこれまでのリプレイに出て来たPCを参加させるのではなく、それぞれのキャラのPCの立ち位置・スタンスを踏まえた上で参加させているというのは、これまた素直に、凄いよなぁ……の一言というか脱帽ものでしたよ、えぇ。
まぁとりあえず結論としては、ダブルクロスというゲームを知っている人は勿論のこと、それ以外にも、PCが結構リアルな問題で悩んだりその苦悩を乗り越えるといった、そーいうタイプのシナリオや作品が好きな人ならば、是非とも読んでみる価値はあるんじゃないかなー、と個人的には思ったり。
……もっとも、あくまでもこの上質な作品というのは、ここに至るまでに3巻分のシナリオ・セッションを重ねた上に存在しているワケであって、いくらこのリプレイが面白かったからといって、いきなりその面白さや感動を自分が参加するセッションでいきなり再現しよう・味わおうというのは難しいコトなんでしょうけどね。いやー、でもこーいう上質なリプレイとかを読んでると、無性に久方振りにTRPGがしたくなってくるわー……。


→ 合計:033冊(小説18冊 / 漫画11冊 / その他4冊)