そして昨日に引き続き

引き篭もり的休日と言うことで、前述のように、積読やら読みかけだった本やら、あるいは二度読みを考えていた本やらをうだうだと読んだりしていたワケなんですが。
えーと、とりあえずその中でかなり面白かったものに、実は最近、他の作品も一通り買っていて、それらについては何時書評を書こうかと考えたりしているほど急激にハマっている作家さんで、米澤穂信氏という方がいらっしゃいまして。んでもって、その人の作品で、「犬はどこだ」 という小説を先日から読み進めていて、今日無事に読了したんですが。


犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)



いやー、久し振りに良作な推理小説を読んだ感があったというか、奇想天外なトリックやらアクロバットな推理といったものは無いストレートな作品であったにも関わらず (むしろそーいう余計な要素が無かっただけに)、実に面白かったッスよ、ハイ。


で、以下は例によって、まぁ簡単に書評というか読後感想についてなんですが。とりあえず、大まかな話の粗筋については、本に書かれている粗筋文がこの作品の場合かなり良く書けている & それを改めてここで説明するのも面倒(苦笑)ってコトで、はまぞうから辿れるAmazonの「商品の説明」等を参考にして頂くとしまして。
既に述べましたが、恐らく、事件の設定と言うか内容の部分に関しては、決して特別な捻りが効いた作品では無いと思うんですよ。最初は一見無関係に見えた2つの事件が実は複雑に絡み合っていて……というパターンについても、2つの事件の調査の具合はそれぞれ別の人物の視点で語られるという手法まで含めて、それほど珍しい手法・語り口ではないと思われますし。
ただ逆に言えば、それだけシンプルな構成要素ばかりで組み上げられている作品だからこそ、その調査途中の様子や後半での読者への真相解説といった部分での文章の面白さ・魅力ってヤツが勝負の鍵になって来るんだと思うんですが、これがまた実に、読みやすいにも関わらず、かと言って薄っぺらなワケではないという、実に良い塩梅になってましてねー。
また最後の事件の真相の部分についても、決して奇想天外なトリックがあるワケではないものの、しかしそこに導き出された答にはちょっとした意外性なんぞも含まれている等、これまた最後まで飽きさせないというか、文章の面白さだけではなく、キッチリとミステリとしての実力で最後まで読者を放さないというカンジになっていて、これまた個人的にはかなりの高評価でしたよ、ハイ(^^;


まぁそんなこんなで、総括と致しましては、決して 「前代未聞のトリック!」 とか 「急転直下の息も吐かせぬストーリー展開!」 といったカンジの刺激を楽しむ作品では無いものの、オーソドックスな作りでここまで読者を楽しませてくれた、という意味では非常に良い作品だと思えました、というコトで。
あと私見としては、別に 「このトリックは王道的で云々」 といったような類にコトを言い出す気はサラサラ無いですが、でも比較的シンプルな謎とかトリックが作者次第ではここまで面白い出来になるというコトの好例という意味で、ミステリ好きの人ならば読んでおいて損は無い・素直に面白いと思える作品なんじゃないかなー、と思いましたよ、ハイ。


→ 合計:023冊(小説16冊 / 漫画5冊 / その他2冊)