そしてこれまた恒例のー

朝の更新に続いては、休日の夜の更新ってコトで、読書クラブの一員としての活動・読書 & 書評のお時間なワケですが。えー……何つーか、もしかしたら 「何を今更」 とかツッコミを受けるかも知れませんが、今日も “書評” とは言いつつも、実際に読んでる・感想を書いてるのは漫画だったりします(汗)。
っつーかねー……一応先週辺りは、仕事がそれなりにあるとは言いつつも、会社への行き帰りの通勤電車の中で本を読む気になる程度には、心のゆとりも出て来てはいるんですけどねー。ただ問題なのは、そこで読んだ本というのが、このblogの書評で取り上げても良いと思える程に面白かったかというと、必ずしもそうとは言い切れないというコトなワケでー。というか、まぁ本なんてのは当たりもあればハズレもあるよね、っつー話なワケでしてー(--;
……というコトで、一頻り 「何故小説の書評を書かないのか」 という言い訳をしたところで。えーと、まぁそんなこんなで本日の書評・感想についてなんですが、本日はコチラ、単なる絵のみではなくストーリー構成力という点でも最近個人的にかなりオススメな漫画家である おがちちか 先生の作品、「Landreaallランドリオール)」 の第1〜7巻を取り上げてみたいと思いまっす。Landreaall 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)Landreaall 7 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

恋と友情と忍耐があればいつの時代も青春はハッピー……なのか?

えー……っつーか、感想を書くにせよ書評を書くにせよ、まぁそもそもからして、いきなり第1巻〜第7巻までもの巻数を一気に取り上げるってこと自体からして無理がある気はするんですが(汗)、それでもまぁ一通り紹介を始めさせて頂きますと。


とりあえず大雑把な世界観としては、剣や素手での武術と共に、多少の魔法が存在し使われている、中世ヨーロッパをイメージさせるファンタジー的な世界。
そんな世界と時代において、本来ならば非常に高位の王位継承権を持ちつつも、そんな地位を捨てた両親と共に田舎町で暮らしていた青年・DXはある日、火龍を封印する為にその身を樹へと変え、今では幻影でしか姿を見せられなくなってしまった吟遊詩人・マリオンを元の姿へと戻すべく、妹・イオンと、兄妹2人の護衛である忍者・六甲と共に、彼女を救う手立てを探す旅に出る。そして旅の末に火竜を殺せるという剣を手に入れたDXは、火竜と共に樹に封じられた彼女の魂を救うべく、自ら樹の封印を解き火竜との戦いに臨んだ……。
……というのが、“第1巻〜第3巻までの” ストーリーの要約だったりします。そして、この火竜とマリオンについてのエピソードというのは、この第3巻で決着を迎えることとなっており、続く第4巻からは、第2部編と言うか別エピソードが始まるんですが。
えー……実はこの第2部と言うのが、それまで 「中世欧風ファンタジーでの冒険譚」 だった第1部とはうって変わって、ここからは何と 「中世欧風ファンタジー世界での学園モノ」 だったりするんですよねー、これが(汗)。いやー……まぁ、この作品について自分は、雑誌掲載をリアルタイムで追うのではなく単行本で読み進む派だったので、事前にネットの話とかで一気に話の方向性が変わるというのは知っていたんですが、それでもやっぱり、最初にこの方向転換を見た時は流石に結構驚きましたよ、ハイ(^^;


まぁそんなカンジで、この第4巻をターニングポイントとして一気に話の方向性・雰囲気ってヤツが変わることとなるんですが、じゃあこの方向転換が (前の話の雰囲気を変えてしまったという意味で) 良くなかったかと言うと……これは私見ですけど、むしろこの方向転換は大正解だったよーに思えるんですよねー、コレが。
というのは、確かにそれまでの第1巻〜第3巻まででも、一見したところではこの話というのはただの竜退治の冒険譚にしか見えないものの、改めて単行本をじっくりと読み返したりすると、かなり最初の内から色々と重要な伏線が張られたりと、実に丁寧な話作りが行われていたりしたんですが、それでもやっぱり、メインストーリーはあくまでも 「竜退治の冒険譚」 というコトで、凝った伏線というのは張りにくかったり、あるいは張ってあっても全てが回収され無かったりしたみたいだったんですが、それが舞台が学園へと移り、対人関係等にも幅が出たりしたことによって、この伏線の話も含めたストーリーの豊かさ・深みってヤツが一気にいい感じになりましてねー。
一例を挙げるだけでも、DXの過去の対人関係が今になって思いも寄らぬ (というか本人達的には“とばっちり”としか思えないような) 事件を引き起こしたり、あるいは、第1巻の頃から出て来ていた脇役の正体が正に予想外なものだったりと、実にまぁよく練られたストーリーって感じで。
更にここに、DXの持つ王位継承権が絡み、単なる学園モノの枠に収まらない、いわば一種の宮廷陰謀モノの要素まで帯びて来るというんですから、いやはや何ともまぁ実に豪華かつ楽しめるストーリーですよ、えぇ(笑)。
まぁこの辺の詳しい話・具体的なエピソードについては、多分実際に読んでみてもらった方が早いかとは思うんですが……一応老婆心ながら付け加えておくと、個人的には、この作品は雑誌連載を無理にリアルタイムで追おうとするのではなく、単行本化するのを待ってじっくり読んだ方が良い・楽しめるかなー、とは思いますねー。というのは、正直な話、ストーリーがあまりにも凝っていると、その反動で話とか設定が複雑になり過ぎてしまって、ヘタをすると10話とか前の話の1コマにヒントが隠れていた、みたいな事態ってのも時折あったりするので(苦笑)。
ストーリーに深みが出るのは個人的には大歓迎なんですが、この辺の読み難さというか、読者がある程度の努力と言うか “話を追い掛ける” 的なことをしないと十分には楽しめないというのは、根強いファンを生む力にもなり得る反面、一見さんが寄り付きにくくなったりもしてしまうんじゃないかなー……とか思ってみたり。


……とまぁ、そんなこんなで、竜退治の冒険譚と言う第1部を踏み台にした甲斐があったというコトなのか、学園青春モノとなる第2部において、その実力が大きく発揮されているように思われるこの作品。
絵柄については、掲載誌が 「ZERO-SUM」 ということもあって、あるいは賛否両論があったりするかも知れませんが、単なる絵の綺麗さや萌えではなく、ストーリーで勝負が出来るという意味では今後の展望・活躍が非常に期待できる稀有な作品・漫画家さんだと思うので、そういうストーリー重視の作品が好みだという方は、是非一度この作品に手を出して、そして出来ることならば一気に第1巻〜第4巻まで読んでみては如何でしょうか。第4巻からの学園モノが性に合ったなら、間違いなくその後の第5巻〜第7巻 (以下続刊) も買いだと思いますよー。


→ 合計:094冊(小説37冊 / 漫画44冊 / その他13冊)


<追記>
書評や感想の時にいつも付けている、その本の画像・はまぞうへのリンクについては、現在何やらはまぞうの調子がおかしいようなので、今しばしお待ち下さい。直ったら、あとで追加しますのでー。
→ はまぞうが正常に戻ったようなので、画像・リンクを追加しました。ご迷惑をお掛けしましたー m(_ _)m