朝の感相に続いてこれまた週末恒例ってコトで

えー……相変わらず今日も、日中はここの更新以外で色々と遊んだり遊んだり遊んだり (って、言い訳のしようも隠しようも無い程に遊んでばっかりだったんですが/汗) していたんですが、いよいよ以って、年間100冊読書クラブの自分の期限・締め切りがヤバイというコトで、例によって、週末なので比較的時間がある今日は書評の更新をしておこうと思うワケなんですが。
……ハイ、“書評” なんぞと言ってはみたものの、例によって今日も、取り上げるのは小説ではなく漫画だったりします(汗)。
っつーかねー……まぁ、ここ1週間程のこのblogの過去の更新内容を見て頂ければ分かるかとは思うんですが……正直、たとえそれが朝夕の通勤の電車の中だったとしても、ゆっくりと小説を味わって読むなんていう心のゆとりってヤツが現在著しく不足している・なかなか作れない状態が続いておりまして……。
一応は自分でも、仮にも 「趣味:読書」 とか履歴書に書いたりしてる人間がこれではマズイだろー、とは思ってるんですけどねー……。ただまぁ、世の中ってのは、「やりたいこと」 ってのと 「やれること」 が常に一致したりするものじゃあ無いよね、みたいなっ(苦笑)。


……などと、ちと前フリが長くなってしまいましたが。えーと、まぁそんなこんなで今日の書評なんですが、本日はコチラ、朝のカブトの感想でも何故かちょっとだけ触れていた、原作が清涼院流水氏・原案と脚本が大塚英志氏・漫画が箸井地図氏という、かなり濃そうなコンビによる作品、「探偵儀式」 の第1巻〜第3巻を取り上げてみたいと思いまっす。探偵儀式 (1) (角川コミックス・エース)探偵儀式 (2) (角川コミックス・エース)探偵儀式 (3) (角川コミックス・エース)

探偵の役割とは一体何なのか?

浮気調査やペット探しと言った依頼ではなく、犯罪捜査のみに探偵が専念出来るようにとの思想の下、日本探偵倶楽部(JDC) が特殊法人として結成されてから十年。だが犯罪捜査とは言いつつも、推理小説のようなトリックや謎のある殺人事件しか扱わず、一般犯罪の捜査は、すっかりJDCに事件を丸投げする体質となり捜査能力の無くなった警察がおざなりに事件を扱うという、一種の停滞・腐敗状態へと社会は陥ってしまっていた。
そしてそんな腐敗した状況の中、選ばれしJDCの探偵99人の下へと届けられた、“探偵開祖” による “探偵儀式” の招待状。その内容は一切不明であるが、10年前にその儀式が行われた際には、JDCの代表である鴉城蒼司と螽斯太郎を除いては、全ての参加者が死んだという謎の儀式……。
その儀式に、JDCのように組織に囚われない推理をするボランティア探偵倶楽部・通称“BDC” 所属の3人の少年少女と共に、JDCを代表する探偵である龍宮城之介と九十九音夢が挑む時、全ての事件の幕は開かれる……!

……というのが、とりあえず第1巻の内容となるワケなんですが。
まぁ一応作品内容的には、漫画ではあるもののジャンル的にはミステリ作品の一つというコトで、あまり詳しくストーリー展開の話をしたり、第2巻 & 第3巻について書いたりするとネタバレ的な要素が出て来てしまうので、ストーリー的なものについては、これ以上紹介するのは難しいんですが。
いやー……それにしてもあれですね。これは、既に作者である3人自らが、第1巻のあとがきで書いているコトなんですが、既に↑上の大雑把なストーリー紹介からも予想できるかも知れませんが、ミステリの世界における 「反則」 技使いと、漫画原作者の中でも指折りの 「反則」 技使いが組んでストーリーを作ると、それぞれ自分の持ちキャラを作中に使っているというのに (あるいは使っているからこそ?) ここまで無茶苦茶なストーリーや世界観になるのかと、ある意味感心しきりって感じですよ、ハイ(笑)。
……もっとも、果たしてこれは狙ってやっているのかそうでないのか、そのストーリーについてなんですが、中には、第1巻と第3巻で随分と印象が違ったりするキャラや、設定が途中で変わったのではとさえ思えるようなキャラなんぞも作中にはいたりして、厳密にストーリーを追ったりミステリとして作品を読み解こうとしたりする上では、確かにこの作品には、清涼院氏と大塚氏という2人の独特の面白みといったものが相乗的に盛り込まれている反面、それぞれの作品で時折見られる、意図的に読者の目を欺こうとする胡散臭さや反則技っぽい感じもまた強く出てしまっているのは、結構好みが分かれるところかも知れませんけどね。
そして、ここまでストーリーについてだけ語ってきましたが、その2人が織り成す強烈なストーリー展開を受け止める箸井氏の絵も忘れてはいけないポイントでして。あるいはこれは、インプリンティングというか、最初に箸井氏の絵で見てしまったからこそ余計にそう感じるのかも知れませんが、他の作品からの出張・流用ではないキャラクター、BDCの面々なんかについては、その独自の推理法と箸井氏の絵との相性は非常に良い感じで、絵柄からあまり違和感を感じることなくストーリーを追える・作品を楽しめるというのは、結構大きなポイントと言えるのでは無いでしょうか。
……ただ、清涼院氏が生み出したJDCの面々や、多重人格探偵サイコでお馴染みの笹山徹については、元々の小説や漫画で描写されていた服装・外見像にかなり独特のアレンジが加えられる等、この辺は結構好みが分かれるかも知れないですけどね。


まぁそんな感じで、ストーリーにせよ絵柄にせよ、どちらも独特の味を出しつつも、同時に独特のアクの強さみたいなものも、それぞれから結構発散されていたりする……ってのが、この作品だったりするワケですが。
とは言ってもまぁ、絵柄の方は極端にクセがあったりするワケではないと思われるので、あとはストーリーの方の問題かとは思うんですが、そちらについても、大塚氏原作の最近の作品がOKな人ならば問題は無いでしょうし、清涼院氏もそこに一枚絡んでいるということで、ミステリの要素についても今後の展開が更に期待できる仕上がりになっていると言えるのでは無いでしょうか。というか、個人的には期待大ってカンジで(笑)。
とりあえず、この文章とかで少しでも興味を持って下さったという方は、何やら角川書店のWebサイトではこの作品の立ち読み・試し読みが何の登録とかも無しで出来るページがあるそうなので、まずはその辺をご覧になってから、購入とかを検討されては如何でしょうかー。


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