あまりにもネタが無いので

ここ最近読み返した本の中で、“いつかネタに詰まったら書評でも書いてお茶を濁すかー”と思ってた本がいくつかあるので、今日の更新は、その辺からネタを引っ張って来て誤魔化してみることにします(^^;
ってコトで、本日の(自分にとっては突発的な)書評のコーナーで取り上げる本はコチラ、ラノベ好きの方には「バッカーノ!」シリーズでお馴染みの成田良悟氏の作品で、「デュラララ!!」でっす。デュラララ!! (電撃文庫)

チームカラーは無職! ……って字が違うっつーの!!

最近の池袋に存在する2つの噂。それは、1つは「ダラーズ」なる正体不明のカラーギャングの存在に関するものであり、もう1つは、夜の池袋を疾走する黒尽くめのバイクとそのライダーに関するものであった。
そして、高校入学を機に都会での華やかな生活に憧れ上京してきた、そうした都市伝説的な存在にも興味を持つ少年・竜ヶ峰帝人。彼にとって、都会での華やかな生活というのは日常からの脱却であり、しかし同時に、それはそう簡単には手に入らない日々に思えた。
だが、その計算は容易く狂うこととなる。池袋で実際に目の当たりにする黒バイクという存在、決して手を出してはいけない男たち、果ては、首に傷のある謎の少女まで。
それぞれの思惑を胸に様々な人物が錯綜する中、果たして帝人は何を思うのか。そして、謎のカラーギャング集団「ダラーズ」とは一体何なのか。……これは愛の物語。歪んでいて、奇妙で、珍妙で、滑稽で、けれど折れることも曲がることも無い、そんな愛の物語。



……というのが、ネタバレを回避しつつ、それでいて、ある程度は格好を付けたカンジでのストーリー紹介なんですが。まぁ、もっと単純にぶっちゃけて言ってしまうと、“ライトノベルス版の池袋ウエストゲートパーク”とでもいった感じというのが、印象的には一番正解に近いですかねー(^^;
筆者の成田氏の文章・作品の特徴として、“(上遠野浩平氏の作品とはまた違った感じで)様々な人物の視点で物語が語られ進んで行く”というものがあるんですが、本作品でもそのスタイルは健在で、特に他の作品に比べても、謎のカラーギャング集団「ダラーズ」の素性や正体が終盤まで語られることが無いというのが、この作品をより一層面白いものにしている・読者の興味をそそる作品に仕上げているように思えました。
他にも成田氏の作品の共通の特徴として挙げられるものに、登場人物・キャラの濃さというか、頭のネジの外れっぷり(苦笑)というのがあると思うんですが、本作品でもそうしたキャラの魅力は健在で。
特に、人類全てを愛してると豪語する危険な情報屋・折原臨也や、名前とは正反対とも言える強さを持つ青年・平和島静雄、そして、“意外なというか如何にもライトノベルス的というか(苦笑)”と思える正体を持つ黒バイクといった面々なんかは、正に成田氏の作品っぽさが溢れたキャラクターに仕上がっているんじゃ無いでしょうか。


繰り返しになりますが、池袋やカラーギャングといった、如何にもなキーワードを散りばめつつ、そこにラノベ的な、もしくは少々現実離れした要素を入れることで、上手に“ライトノベルス版池袋ウエストゲートパーク”とでも言うべき世界観を作り上げている本作品。
これはただ単に、私が中世ファンタジーの世界観を持つ作品よりも現代社会風の世界観の作品を好むからかも知れませんが、この「デュラララ!!」という作品、個人的には、「バッカーノ!」シリーズ以上に成田氏の作品・文章の魅力が詰まった一冊に思えました。


これまで、興味はあっても成田氏の作品を読んだことの無い方、あるいは、現代日本を舞台にしたドタバタ的な作品が好みの方、もしくは、何処か吹っ切れたカンジの池袋ウエストゲートパーク風な作品を読んでみたい方、はたまた、キャラ勝負だけで楽しませてくれるような作品を読みたいと思っている方。
以上の4つのいずれか、もしくは複数の条件に当てはまる方には、かなりの勢いでオススメなこの作品。一応、本の帯とかには、「(歪んだ)愛の物語」と書かれたりしてますが、確かに“愛”は1つのキーワードではあるものの、恋愛話・恋愛の要素を全面に押し出したような作品では無いので、ラノベは好きだけど恋愛絡みのストーリーは苦手……ってな方にもオススメですよん。


→ 合計:020冊(小説14冊 / 漫画4冊 / その他2冊)