本誌掲載終了追悼企画ってコトで

これから一週間ほどかけて、1日1巻のペースで「武装錬金」の単行本特集でもやってみたいと思います。時間に余裕があった時は、他の書評等も書くかも知れないけど……まぁ、我が侭なのは重々承知ですが、追悼の意を示したいということで、何卒ご容赦を。
そんなワケで、まずは1巻目の感想から始めたいと思います。武装錬金 1 (ジャンプコミックス)

トルファンジーという帯の煽りさえ、今となっては懐かしい

当たり前だけど、改めて読み返してみると、今とは随分絵の感じが違うっすねー。でも、主人公・カズキの、最近の作品ではほとんど見られなくなった「自分のためではなく他人のために動ける主人公像」ってのは、この当時から一貫して変わってないんだよなー。
また、登場人物たちの行動範囲が高校付近に限定されていることもあって、バトルシーンとギャグパートのバランスは本当に絶妙だと思います。……物語を膨らませて行く上では仕方なかったんだろうけど、この学校を主体としたギャグパートが十分に面白いだけに、ジャンプに掲載されたここ最近の回では、学校での日常生活や、友人らとの何気ない会話といった“日常”部分の描写が無かったのが実に悔やまれます(T_T)
それと、人物設定や伏線も未だあまり深くまで作られていないあたり、前作が早期に打ち切られるという経験があっただけに、この時点では和月氏は早期の打ち切りをかなり警戒していたんだろうなー……。改めて単行本を読み返してみると、これは最初の1&2巻に限らず、3巻〜5巻の辺りにおいても、時折この“打ち切り警戒モード”が透けて見える部分があるだけに、ここ数ヶ月の連載で見られた、突然の打ち切りを恐れないかのような大胆な話の展開を思うと、どーにも切なくて堪りません(涙)。


あぁ、もう……。感想なんて言ってるけど、結局出てくるのはグチばかりな気がする……。
打ち切られた作品ということで、中々手を出し辛いとは思うけど、もし未読の方がいたら、せめて今日紹介した1巻と明日紹介する2巻だけでイイんで、是非一度読んでみて下さい。カズキの他人思いな性格とか、一部古臭いと思う部分はあるだろうけど、その反面、少年漫画としてストレートに読める作品なので。
また、単行本は一通り持っているという方は、ここに改めて書くまでも無いだろうけど、これを機に1巻から7巻まで通して読んでみてはいかがでしょうか。悔し涙も出るかも知れないけど、やっぱり面白い作品だったと改めて感じられると思いますので。