一種の習慣と化してきたな、このコーナー

本日の書評は、西尾維新先生の作品で、「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)」を。

……と思ったんだけど、ちと興が削いだので、続きは後で書くことにする。今日中に書くけどねー。
※訂正:正しくは「興が削がれた」っすね(汗)。

それにしても、講談社ノベルスの中で特に目立つよな、この表紙の色。

……というワケで、続きです。

さてさて。本日取り上げるこの「クビキリサイクル」は、私とほぼ同世代の作家である西尾維新さんのデビュー作なんですが。……うん、デビュー作としてのクオリティはかなり高いっす。
ミステリなんで、ネタバレを考慮すると詳しく書けない部分が多いものの、絶海の孤島という状況設定とか、容疑者や被害者として登場する“天才”たち、そして「クビキリ」の死体とそのトリックと、ミステリの要素はきっちりブチ込まれてて、竹さんのポップな(死語)イラストとは裏腹に、結構しっかりとした味のあるミステリに仕上がってる作品です。


……と、ここまでが“ミステリ”としての西尾氏に対する私の感想・書評です。そして、ここからはミステリ以外の部分での西尾氏の評価。
で。ここまで長々と、何処か微妙に曖昧な表現を散々述べておいて何なんだけど、一応、ここでしっかりと公言しておこう。はっきり言ってこの作品、ミステリとしては、上記の各要素ごとに見れば良い作品なんだけど、まとめて1つの作品・物語として見てみると、そこそこ楽しめる作品ではあるものの、個人的には特別好きってカンジでは無かったっすわ。
では、何故わざわざ書評で取り上げてるのか? 答えは簡単。実はこの西尾氏、ミステリ以外の部分、登場人物とか描写とか作中のコネタとかが、めっちゃ私好みな作家さんなんだよねー(笑)。
まぁ正直な話、この人の作品独自の面白さが前面に出てくるのって、二作目の「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)」からなんだけど……いきなり二作目から紹介するってのが個人的に嫌だったんで(苦笑)、まずはデビュー作をと取り上げてみた次第だったり。


ちなみに、私が西尾氏の作品が好きな理由の一つとして、二作目以降の作品ほど顕著ではないものの、この作品の中でもチラホラと見受けられる、角川スニーカーや電撃文庫などのいわゆるライトノベルとか、あるいは、少年〜青年漫画に出てくるような表現や描写の類ってのがありますねー。
ってゆーか、もともと私がヲタクっつーか、ラノベとか漫画とかは結構好きな方なんで、ミステリ云々というよりは、そーいう意味で個人的に西尾氏の作品は好きだったり。ちなみに、他の理由については、また追々ってコトで。


今回の書評はいつもにも増して書評になって無い(苦笑)けど、まぁ敢えて書いておくことがあるとすれば、

    • 一応、この作品はミステリである。
    • ただし、西尾氏の二作目以降の作品はミステリじゃない可能性が高い。むしろ、エンターテイメント追求型ってカンジ。
    • 「新青春エンタ」という怪しげな謳い文句があるだけあって、オーソドックスな描写とか設定とかを好む人には、本作品も含めて、西尾氏作品は必ずしもオススメはできない。
    • 何っつーか、雰囲気的には、(清涼院流水上遠野浩平)÷2 か?

……っていうカンジかしら。まぁ、ライトノベルが好きで、ややミステリ系にも興味がある人にとっては絶好の一冊かとー。