そして第1期の反省を踏まえ

前述の通り、今日の日中は本を読んだりしてた & 特に出掛けたりもしなかったのでその感想を書く余裕も今日はあるというコトで、早速その辺の書評・感想をば書いておこうかと思います。っつーか、こうやって少しでも小まめにカウントを進めておかないと、後々仕事が忙しくなったりした時にエライことになるっつーのは、既に第1期目の100冊読書で学習済みのコトだし(苦笑)。
まぁそんなワケで、以下、この連休中で最初で最後の書評だったりします。
そして今回は、「あまりにも最近色々と話題になっているので、何となく “今更” 的な感じや “マスコミに乗せられてる” 感も多分にあったりはするんですが、でもまぁ話題作を押さえておくってのも決して悪いことだけじゃあ無いよね(前置き長っ)」 ってコトで、本日は、ダン・ブラウン氏の作品でボチボチ映画も公開となる 「ダ・ヴィンチ・コード(文庫版)」 全3巻を取り上げてみたいと思いまっす。

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

汝が真に追い求めたものは果たして何か

えー……まぁいつもならば、まずはこの書評の冒頭に、その作品の粗筋紹介的な文章を最近は入れるようにしていたんですが……この作品に関しては、既に世間で結構話題になっている & あと数日ほどで映画も公開されるってコトで、今回はその辺は省略でイイっすかねぇ(^^;
それでもまぁ、一応ネタバレにならない範囲で作品について触れると、ルーブル美術館で発見された、ソニエール館長の奇妙な遺体、及びそこに残されたメッセージを皮切りに、館長の孫娘であるソフィーと大学教授のラングトンは、その館長の死及びメッセージを探る内に、画家レオナルド・ダ・ヴィンチが作品の中に残したある “真実”、ひいては現在のキリスト教の在り方を揺るがしかねない問題へと迫ることになる……っていうのが、ストーリーの要点・大まかな流れなワケですが。


んー……とりあえず結論から述べさせて頂くのであれば、自分なんかは、キリスト教の教え云々とかもよく分からず、尚且つ神様なんざ古今東西の何れの神をも信じたりしてない (敢えて言うなら精霊信仰っぽいものは多少信じてますけどね) 人間だったりするんですが、それでも十分にこの作品を楽しむことが出来たように思いました。
本来ならばキリスト教の教えについてや、ダ・ヴィンチが作品に込めた “真実” ってヤツを事前に知っていたのであれば、より一層この作品を楽しめた、もしくは作中で明かされるとある “真実” に驚くこととかも出来たんでしょうけど……まぁその辺は、実際にこの作品を読み始めてから気付いたことだったんで、自分の場合は既に手遅れだったんですけどね、えぇ(苦笑)。
あと、その作中で語られる “真実” ってヤツについても、(こんなコトを言うと、厚い信仰心を持ってらっしゃる方には大層怒られてしまうかも知れませんが) そもそも今日のキリスト教なんてのは、確かに世界中で多くの信者を持っている宗教ではあるかも知れませんが、それは取りも直さず、そこに至るまでに多数の犠牲者を生み出した・世界最大の屍山血河の上に築かれた宗教だと自分なんかは思っているので、そこに今更隠された “真実” が1つや2つくらいあっても、それほど意外って感じもしませんでしたしねぇ……。


……と、何だか多少批判っぽいような文章になってしまいましたが。
えーと、まぁそんな感じで、正直全くの無宗教である自分にとっては、キリスト教の精神とか、一部なかなかに理解し難い箇所なんぞもあったりはしましたが、でもまぁ大半の部分では、そーいう宗教的思考とかが無くても、主人公であるラングトンとソフィーが数々の暗号に挑むシーンや、彼らに迫り来る様々な追跡の手から逃れるシーンなんかは、そーいう小難しいことを考えなくても素直に楽しめた・それだけでも十分に面白いと思える作品でしたよ、えぇ(^^;
まぁ多少難を言うのであれば、そのダ・ヴィンチの絵画等に秘められた “真実” についてなんですが、最初の内は、実際の作品に秘められたメッセージを解読する・分析するという行為を忠実に行っているのに対し、途中からは、「このメッセージは○○という事実を指し示している」 的な、必ずしもそれが唯一の答えとは限らないような解析結果・結論を導き出しているようなシーンなんぞもあったりして、正直その辺については、やっぱりこの作品はあくまでもフィクションなんだなぁ……とやや興醒めな感じもあったりはしましたが。
まぁ、この作品に書かれていること全てが本当に事実だったなら、世界は色々と結構深刻に大変なコトになり兼ねないとも思うので、“真実” の行方については、これくらいの曖昧さが残る感じの方が丁度良いのかも知れないですけどね。


えーと、まぁそんなカンジで、ダ・ヴィンチの作品に秘められたメッセージや、あるいはキリスト教の教えや歴史ってヤツを知っていればより一層楽しめるし、自分のようにそれを知らなかったとしても、アクション交じりのサスペンス作品として十分楽しめる……といった感じのこの作品ですが。
繰り返しになりますが、間もなく映画が公開されるというコトで、もしそれを観に行く予定があるという方は、事前にコチラの小説でダ・ヴィンチ作品に秘められた謎とかについて予習をしておく・事前知識を仕入れておくも良し、あるいは、謎解きの一部や途中のアクションシーンなんかは、やっぱり映像があった方が分かり易いという印象もあったので、敢えて小説の方は後回しにして、まずは映画を楽しんでから、そこで十分には理解しきれなかった謎を後で小説を読んで補完する……なんていうのもアリなのでは無いでしょうか。
まぁ何にせよ、色々と話題になっているだけあってというべきか、なかなかに楽しく読める作品だったのは事実なので、興味を持たれた方は、ダ・ヴィンチがどうのこうのとあまり難しく考えず、あくまでも普通に海外のサスペンス小説を読む程度のつもりで読んでみては如何でしょうか。小説としては、それでも十分に楽しめると思いますよー。


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