「ネコソギラジカル 下巻」 ネタバレアリアリ感想

……って、我ながら実に味気ないというか、そのまんまな見出しではありますが。
一応、ネタバレを回避しつつの感想・書評については、大体は昨日の書評で語ったであろうという感はあるんですが、ネタバレアリアリの感想については、まだまだ語り足りない感があるというコトで、昨日の宣言通り、本日はネタバレアリでの感想なんぞを追記してみたいと思いまっす。
と、ゆーコトで。一応、無駄にネタバレを晒しておくってのは自分的にどーにもイヤなので、ここから先については、一度 「続きを読む」 にて区切らせて頂きます。お手数ですが、既に作品を読了済みの方で、私の独断と偏見、あるいは戯言(苦笑)にお付き合い頂ける方だけ、この先へはお進み下さい m(_ _)m









……と、まぁ予防線はこれくらいでOKでしょうか。さてさて、そんなワケで、以下はネタバレ全開での感想なワケなんですが。


えーと、とりあえずまずは最初のぶっちゃけた話として、この作品読了直後の自分の感想・このハッピーエンドな物語の終わり方に対する私見なんぞを書いてしまいますと。
「あぁ、まぁ幸せで良いんじゃない? 下手に後味が悪いよりは、この方が良いよね」
ってのが、まず五割。そして、
「いやいやいや、これが戯言遣いのエンディングってのは、ちと呆気無さ過ぎでは?」
ってのが五割、ってなカンジでしたねー。
や、だってさぁ……。確かにある意味では、この <戯言シリーズ> ってのは、結局は、不幸な“いーちゃん”と可哀想な玖渚友の物語である以上、その“おしまい”ぐらい、P.273で潤さんが言ってるようにハッピーエンドがお似合いじゃん? ってな気はするんですけどねー。事実、その意見には大いに賛成もしますし。
でもその一方で、このネコソギの中巻で、あれだけ容易かつ無残に萌太くんとか出夢くんとかが死んでるっつーのに、結局最後は、“いーちゃん”も潤さんも玖渚も、それどころか“狐面の男”や真心までもが死なずに終わりかよ! みたいな思い・感想ってのもあったりしまして(苦笑)。
だってねー……。中巻の最後においては、玖渚ってばあれだけ 「死ぬ・助からない」 宣言が出てたんですぜ? それが結局最後は、“全ての才能を捨てて凡人になったので普通に生きられるようになりました、おしまい” かよ! とか思いません?(笑)
……って、まぁここで“(笑)”とか入れてる辺り、自分でも別に本気でそれに憤ってるワケじゃないッスけどね。どちらかというと、そーゆー風に思わなくも無いですよ、というカンジでして。
もっとも、だからと言って本当にここで玖渚に死を与えるようなエンディングが選ばれていたとすれば、恐らくそれは、“いーちゃん”にとってもまたある種の“死”を余儀なくさせるようなエンディングになるであろうと思われる、もうちょっと噛み砕いた表現にするなら、つまりはそれこそ 「皆死にました、っつーかもう生きてても死んでてもどっちでも同じじゃん?」 的なエンディングになるだけだっただろうと思われるので、そんな身も蓋も無さそうなエンディングに比べれば、今回のこの終わり方の方が遥かに良いかと思いますけどね。
……でも、やっぱり王道過ぎる程に王道なご都合主義だよなぁ、この終わり方って。あ、あと、裏表紙のイラストでネタバレ・エンディングバレってどーなんですか、とか(笑)。


で、まぁこのエンディングについての戯言はこの辺でさておいて、後はまぁ、この終わり方についての話に比べれば全て小物ではあるんですが、一応他の気になった点なんぞを挙げておきますと。
まず最初に、面影真心については……あー、うん、まぁ“親がいなかったから生き方が分からない”なんていうのは、多分にラノベ的だなぁ、ってな気もしますが、それでも確実に潤さんと戦う理由にはなってますやーね。
というか、後半のこの2人の直接対決の辺りでは、この2人の対比と合わせて、“いーちゃん”と“狐面の男”との対比が重なるように描かれてますけど、そういった点からしても、“いーちゃん”たちの関係・因縁が複雑というか面倒なものである分、真心たちの関係・因縁については、これくらい単純で丁度良かったのかも知れないッスねー。っつーか、この2人の関係まであまりに複雑にされ過ぎたのでは、恐らく自分の頭では着いて行けなかったでしょうし(苦笑)。


あと他に個人的に気になった点としては、《チーム》の面々の中に結局最後まで表舞台に出て来なかった人たちがいる、なんてのもありますかねー。
まぁ、この《チーム》の面々については、結局最後には玖渚はその才能を捨てて“いーちゃん”と生きることを選んだということを考えれば、所詮“いーちゃん”の代理品でしかない面々など、わざわざこの物語の表舞台に敢えて引っ張り出すような理由が無い、ってコトなのかも知れませんけどね。
……それでも、やっぱり個人的には、《害悪細菌》とか《屍》だけでもあれだけ濃い・イカレっぷりが見ていて楽しい(苦笑)キャラだったんだから、どーせだったら是非とも全員を見てみたかった・読んでみたかったなぁ、とか思ってしまったり。
もっとも、その内の《街》の活躍というかイカレっぷりについては、次のファウストでまた読めそうですけどねー(^^;
あぁ、あと《チーム》の面々以外にも、名前とかは出て来ているのに結局最後まで姿を見せなかった人間として、骨董アパートの住人の筋肉爺さんとか魔女なんて面々もいますねぇ。この辺についても、出来れば個人的にはその活躍ぶりというかキャラクター性ってヤツをもっと読んでみたかったですねー。あと、贅沢を言うならイラストも(笑)。




……とまぁ、遠慮もせずにダラダラうだうだと、正に戯言ってヤツを並べ立ててみましたが。本当は、まだまだもっと色々と書きたい気はするんですが……あんまり一度に色々と書いても仕方ないってコトで、一先ずはこの辺にしてみたいと思います。
週末とか、また時間が出来て気が向いたら何か追加で書くかも知れませんが、その辺はかなり気分次第なので、まぁあまり期待せずにお待ち下さいませー(^^;