オススメのラノベなんぞを

今、PCに向かってぼんやりと永晶源の林檎酒 (扱ってる店は多くないみたいだけど、アルコール度数10%程度の、後味の良いスッキリした甘みを持つ果実酒。梅酒とかと同様に食前酒なんかにも向いている気はしますが、ヘタに何かで割るよりは、冷やしたストレートかロックで飲むのが一番良いと思われるオススメの一品) を飲んでいたんですが。
いい具合にアルコールが脳を刺激(苦笑)したのか、そーいえば先週、学生時代の後輩から、「(その後輩のような)ラノベ初心者にもオススメのラノベって何?」 という話を受けていたコトをふと思い出したので、今日は書評とかの代わりに、私が個人的にラノベ初心者にオススメしたい作品なんぞをピックアップしてみたいと思いまっす。
あ、ちなみに。これから挙げる作品のラインナップについてですが、私の独断と偏見に満ち溢れた作品チョイス & 感想となっている可能性は非常に高い(苦笑)ので、もしこのピックアップを参照にする場合は、あくまでも自己責任ってコトでお願いしますねー(^^;


ではでは、具体的な作品ラインナップを……と言いたいところですが。実際のところ、一口にラノベとは言っても、今やそのラノベの中でも扱ってるジャンルが多くあり過ぎて、何を基準にどんな作品を挙げれば良いのか、正直迷うところはあるんですよねー(苦笑)。
とは言っても、いつまでもそんなことで悩んでいるワケにもいかないので、とりあえず今回は、ラノベでよく取り上げられるジャンルとして、(剣と魔法の世界的な)ファンタジー ・ SF ・ 現代伝奇モノ ・ ミステリ風作品、以上の4つのジャンルより、それぞれ2作ばかり、オススメな作品を選んでみたいと思います。




1.「(剣と魔法の)ファンタジー」ジャンルのオススメ
スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

神坂一 『スレイヤーズ!』(富士見ファンタジア文庫
ファンタジー系のラノベとしては、定番過ぎる程に定番な作品、逆に言えば、ラノベとはどんな作品かということを非常に良く表している作品でもあると思います。性格の明確なキャラ立てや派手な戦闘の描写など、いわゆるラノベらしさを学ぶ上で一度は読んでおいて損は無い作品かと。

お師匠さまは魔物!―マジカルランド (ハヤカワ文庫FT)

ロバート・アスプリン 『お師匠様は魔物!』(ハヤカワ文庫)
これはいわゆる海外のラノベにあたるもので、非常にドタバタとした感じのファンタジーコメディ作品。話が主人公の一人称で進んだり、それぞれのキャラが非常に魅力に溢れているなど、ラノベの基本はキチっと抑えた仕上がりとなっており、またコメディ作品ということで、読者にファンタジーについての深い知識を要求しないというのも個人的には良いカンジ。ラノベという枠に拘らなくても、かなりオススメ。



2.「SF」ジャンルのオススメ
戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (1) (富士見ファンタジア文庫)

賀東招二 『戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック!』(富士見ファンタジア文庫
厳密にはSFというよりは、ロボットやら近未来兵器やらが登場する、戦闘+青春モノ……とでも言った方が良いかも知れない作品。ただ、コメディ色の強い短編での学園編も含めて、幾度もアニメ化されたりしていることを考えると、ラノベを知るという意味では読んでおいて損は無いはず。強気なヒロインと、それに励まされて元気を出す男主人公という、最近のラノベ系作品によく見られるヒロインとの関係が分かりやすく描写されてるのも高ポイントかと。

ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

野尻抱介 『ヴェイスの盲点』(ハヤカワ文庫)
……ぶっちゃけた話、これはラノベというよりは、正にSFってなカンジの作品であるという気もするんだけどね(苦笑)。まぁ、元々はメイルゲームのノベライズということで、一応ラノベ扱いで。ちなみに内容については、SFとは言っても、派手なロボットも登場しなければ、スペースオペラ的な複雑な人間模様も無く、ただ多少の策謀とかがあるだけの、宇宙の荷運び屋な面々の話だったり。ラノベとして、というよりは、和作SFとしてオススメ、ってカンジかな。



3.「現代伝奇モノ」ジャンルのオススメ
ザンヤルマの剣士 (富士見ファンタジア文庫)

麻生俊平 『ザンヤルマの剣士』(富士見ファンタジア文庫
ある日、ふとしたきっかけで超古代文明の剣を手に入れた主人公は奇妙な事件に巻き込まれて行き……といった感じで始まる、サスペンス色の強い現代ファンタジー・伝奇作品。人間心理の暗く重い一面が丁寧に書かれたりしており、ヘタをすると読んでいるうちに鬱々とした気分になる(苦笑)作品。ただし、テーマ性のあるラノベという意味では非常に良い出来で十分に読む価値があると思われる、個人的には屈指のオススメ作品。

時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に (電撃文庫)

鷹見一幸 『時空のクロス・ロード』(電撃文庫
平凡な男子高校生に過ぎない主人公が、厳しい現実の待つ異次元を助けるべく立ち上がり……という、タイムトラベルならぬ異次元トラベルを扱った作品。そういう意味ではSFにも分類出来る作品ですが、主人公の思春期らしい心の成長という意味では、ある意味こっちに分類した方がやはり正しいのかも。異次元という設定などは典型的なラノベではあるが、読後に結構胸に来るものがあり、なかなか良い出来と言えるかと。



4.「ミステリ風」ジャンルのオススメ
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

西尾維新 『クビキリサイクル』(講談社ノベルス
……ミステリ好きやラノベ好きな方に対しては、最近では最早説明不要とも言える作品だよなぁ、コレって(苦笑)。まぁ、一応はミステリ作品ではあるものの、シリーズとしての後半になればなるほど、よりラノベ的な要素が強くなるこの戯言シリーズラノベ+ミステリという形の昨今のスタンダードとして、とりあえず読んでおいて損は無いのでは。

殺竜事件 (講談社ノベルス)

上遠野浩平 『殺竜事件』(講談社ノベルス
この作品については、一応ミステリーとして紹介するものの、実際のところは、ミステリだ何だと言うよりは“上遠野浩平氏の作品”とでも言ってしまった方が良いかも知れない作品やーね。まぁ、ブギーポップでの手法をミステリ風の作品に持ち込むとどうなるか……というコトで。無敵の竜・ドラゴンが殺されたという設定や魔法が作中に登場するなど、ある種ファンタジー的な要素も持ってるけど……深いことはあまり考えず、ラノベ作家の上遠野氏の文章を楽しむ、といったカンジで読むのが一番良いかも。





……と、今ざっと思い付くところではこんなカンジでしょうか。本当は、他にも色々とオススメはあるんだけどねー……。まぁその辺については、これまでの書評 & これからの書評を参照にして頂くということで。
では、アロエ氏。とりあえずオススメの紹介はしたんで、あとは自分の好みとかを考慮しつつ、適当に読んでみてやー。
あ、あとこれは半分はアロエ氏への私信ですが。麻生俊平氏の『ザンヤルマの剣士』については、既に随分昔の作品 & 最近はあまり売れ筋の作家さんではないということで、新刊を探すのはかなり困難だと思われるので、町田のブックオフのような大型の新古書店を当たってみるのをオススメするよー。それで見付からないようなら、福屋書店とかみたいな漫画系に強い本屋で探すと良いかも。