書評だ読書だと言いつつも

ここ最近は、何だか小説以外の本を取り上げる頻度が高くなってきているような気もしますが……実際のところ、色々と仕事とかで疲れていると、好きな小説であっても、なかなか書評を書くレベルまで読み込むのが面倒になってしまったりすることもありまして(汗)。
まぁ、夏の読書企画に参加するなど、色々とリハビリも考えてはおりますので、多分いないだろうとは思うけど(苦笑)、私の小説の書評を楽しみにして下さっている方は、本格的な再開は今しばしお待ち下さい。
ってコトで、相変わらず小説ではありませんが、本日は最近読んだ本の書評として、TRPGシステム「ガンドッグ」のリプレイである、「ストレイ・ドッグ」を取り上げてみたいと思いまっす。ガンドッグ・リプレイ ストレイ・ドッグ (ジャイブTRPGシリーズ)

犬は標的を狩り出す。たとえ何処へ潜もうとも

んー……。何と言うか、正直な感想としては、“ここ最近の他のリプレイとはちょっと違うな” っていうのが、読んでいてまず最初に私が感じた印象でした。
それというのは、これはただ単に私が、ここ最近再び活発にリプレイを出し続けているソードワールドはプレイヤーもGMもやったことがあるのに対し、ガンドッグは全くの未プレイである、というのが関係してるのかも知れませんが、最近のリプレイ(「へっぽこーず」や「ぺらぺらーず」など)の多くが、どちらかと言うと、「システムを持っている人に遊び方の実例を示す・サポートをする」 ことよりも、「世界観を示すなどしてゲームに興味を持ってもらう」 ことに重点を置いているのに対し、このリプレイは、明らかに前者の、既にシステムを持っている・遊んだことのある人を対象に書かれているように感じたからです。
まぁ、扱うシステムや筆者が変わればそのリプレイの方向性も変わるのは当然、って話ではあるんですけどね。ただ、他のここ最近のリプレイとは随分違う・大胆な試みだなぁ……と感じたのも事実でして。
とは言っても、ガンドッグの場合、SWとかと違いその世界観そのものが独特なため、わざわざ改めてリプレイで世界観の提示から始めなくても、興味のある人間はシステムを自分から買ってくれているだろう = そんな説明よりも、実際の遊び方・実例を提示した方が読者に受ける……と考えての執筆だったのかも知れませんね。


まぁ、そんな微妙に勘繰った考察はさておいて、実際の本の中身についてですが。
大体の説明は裏表紙の本の紹介にも書かれているんですが、本書に収録されているリプレイは2本で、1本はいわゆる“ガンドッグ”としての活躍を描いた作品なのに対し、もう1本は、サプリメントの「ワイルドライフ」で示されているような、“ガンドッグ以外の立場の人間”が活躍する様が描かれた作品となっています。
……って言っても、ここまで書いておいてなんだけど、私自身はこのガンドッグのルールブックを持っていない & 全くの未プレイなので、上記の説明も紹介文を参照しただけなんですけどね(苦笑)。
でも、確かに少なくとも雑誌の「Role&Roll」などで最小限の世界観等の知識を仕入れていないとスムーズには読めないかも知れないものの、逆に言えば、私のようにシステムに触ったことが無くとも、最低限の知識さえあれば、結構スムーズに読めるというのも事実なワケでして。
前述の、「世界観説明よりも遊び方の実例重視」という説明と微妙に矛盾しているように思われるかも知れませんが、時折出て来るルール関連の細かい話を読み飛ばしてしまうことに抵抗が無いのであれば、ある程度の知識 & 興味のある方ならば、純粋にガンドッグの世界観を題材にした読み物として楽しむことも出来るのではないでしょうか。
……まぁ、私のようにシステムを持っていない・遊ぶ予定も無いのに、こんな複雑そうなルールを使ったリプレイを買う人間ってのは稀かも知れませんけどね(汗)。


あ、そうそう。他にもこの本の良かった点として、個人的には、“ガンドッグ以外の立場の人間”でのプレイが取り上げられていたのが嬉しかったですねー。や、まぁガンドッグそのものを一度も遊んだことの無い人間が何を偉そうに語ってやがる(苦笑)って気もするんですが、それでも、こうして新しい遊び方・立場を変えた遊び方が示されるっていうのは、それだけゲームに対する興味が一層増すワケでして。
実際、自分なんかは、たとえ買ったとしても、なかなか遊ぶメンバーを集められない & 集まってもこういう世界観のシステムはプレイしたがらない人間がいるということで、ついついシステム本体は買いそびれていたクチですが、こーゆーアウトローな世界観もプレイ出来るとなると、俄然興味が湧いてきたりしましたよ(^^;
「Role&Roll」でガンドッグの世界観についてある程度は知っているけど、なかなかルールブック購入には踏み切れない……そんな方にもかなりオススメなこの一冊。当然のように、ルールブック本体を買うよりは安いことですし、興味のある方は、ちょっとお試しってコトで買って読んでみては如何でしょうか?


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