またもフライング?でゲット

てっきり来週発売だと思ってたんですが、出先でぶらりと本屋を覘いてみたら、矢野俊策先生著の“ダブルクロス(TRPG)”のリプレイ、「ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面」が売っていたのを発見し、速攻でゲット & フライングゲットした時の作法(マイルールとも言う/笑)で、またまた一気読みしてみたり。ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面 (富士見ドラゴンブック)
いやー、TRPGゲーマーの中にはアンチ派の人も少なく無いと聞くんですが、それでも、FEARってば相変わらず質の良い作品出しますねー。以前に菊池たけし氏(以下、きくたけ氏)が出したリプレイ×2冊もそうだったんですが、作者こそ違えど、今回もプレイ時の楽しさが伝わる良い出来になってますよ。
ってコトで、フライングでゲットした喜び & 内容の面白さを知らしめるべく、本日はこの本の書評なんぞを書いてみよう思います。なお、この本はTRPGのリプレイというコトで、以下の文章は、TRPGとかを知らない人を完全に置いてきぼり(汗)な内容になるかと思いますが……まぁ、たまには(たまにか?)そういう日もあるというコトで、TRPGを知らない・興味の無い方には申し訳ありませんが、何とぞご容赦下さい m(_ _)m

裏切り者と蔑まれようとも、守るべきものがそこにある

とりあえず、ダブルクロスという作品の世界観については、公式サイト とかを参照にして頂くとして、以下は今回のリプレイの感想ですが。


これまでに単行本で発売された「ダブルクロス」のリプレイは、個人的にはどちらも非常に楽しませてもらったものの、いずれも(ゲーム作成そのものとは関係の無い)きくたけ氏が書いた作品だったのに対し、今回はこのゲームのデザイナーである矢野先生本人が執筆ということで、果たしてその面白さを維持出来るのか、正直、期待半分・不安半分だったんですが……。
いやはや、そんな心配は完全に杞憂でしたわー(笑)。プレイヤーの面子は、きくたけ氏のリプレイとほとんど被っているものの、これまでのきくたけ氏のリプレイが、“お笑い的楽しさ”の色が非常に強かったのに対し、今回の矢野先生のリプレイは、“物語的楽しさ”が強いように感じましたねー。
より詳しく説明するなら、、どちらの作品も面白さは共通なんですが、きくたけ氏のリプレイが、「プレイ中に出た発言とかの面白さ」の色が強いのに対し、矢野先生の場合は、「(勿論プレイ中の発言の面白さもさることながら)ストーリー的に先の展開が気になる面白さ」とでも言うんでしょうか。
や、勿論、“きくたけ氏のリプレイではストーリー展開に魅力を感じない”なんてコトは無いんですが(汗)、何ていうか、矢野先生の場合は、よりその傾向が強いというか……うーん、上手い表現が思い付かない(--;
とにかく、読み物として読んでも面白いし、シナリオ作りや実際のプレイでのマスタリングの参考資料にもなる一冊……と、そんなカンジに仕上がってるように思えました。




まぁそんな小難しい話はさておいて、次にリプレイそのものの感想ですが。
……うわーっ! とにかく高崎隼人が格好イイーっ!!(笑) ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けないんですが、1話目のラストの戦闘でのロイス/タイタス使用の表現、めっちゃ格好良かったッスよー。
いやー、戦闘前の演出が、まさかこんな風に伏線として活きてくるとは……。多分、あの演出・伏線は、ロイスを使用せずに済んだのなら、戦闘終了後に何か他の演出に使われる予定だったんでしょうけど、これはこれで、実に見栄えのする演出だったように思いますねー。
プレイヤーの大畑氏に関する説明文には、“負けロールプレイを愛する”なんて文がありましたけど、今回のリプレイでは、実に正統派な主人公キャラを見せて(魅せて)もらったッスわー。2話での活躍ぶりも、正に主人公! ってカンジでしたし。


そして他のキャラについては……うーん、それぞれなりに見せ場とかはあるんですが、やはりそこは、主人公でもヒロインでも無い(今回、ヒロインはNPCなんですよ)キャラの悲しさか、前述の高崎隼人に比べると、今一つ印象が薄いカンジがありますねー。や、あるいはこれは、まだ一気読みしただけということもあるので、私の読み込みが甘いのかも知れませんけどね(汗)。
あ、でも、田中天氏のハジケっぷりはキャラが変わっても相変わらずでしたねー(笑)。それにしても、あれだけストーリー本編とは関係の無い演出(苦笑)をしまくったり、(文面を読む限りでは)時にはグダグダなロールプレイに陥ったりもしているにも関わらず、それでも決める場面ではビシっと決めに掛かってくれるんだから、“魅せるロールプレイ”という点においては、正直脱帽モノっすよ、いやマジで。


文庫での出版ということで、お手頃なお値段(笑)ということもあり、読み物としても、実際のプレイの参考資料としても、かなりオススメなこの一冊。世界観が独特なので、「ダブルクロス」を実際に遊んだことの無い方が読むのは少々キツイかと思われますが、取り立ててテクニカルな遊び方や説明文が多いというワケでもないので、一度でも遊んだことのある方なら、結構すんなりと読めるのでは無いでしょうか。
ただ、ページの関係か、はたまた価格の都合(苦笑)かは分かりませんが、以前のきくたけ氏のリプレイもそうだったんですが、1冊の本の中にリプレイが2本だけというのは、ちと物足りない感じもありましたねー。
まぁ、この辺は色々と事情があるんだとは思いますが……個人的には、色々な物語(ストーリー)を読んでみたい & 様々なタイプのシナリオがあれば、それぞれ微妙に変わるであろうマスタリングが見れて自分がGMをする時のお手本になるということで、出来ればせめて3本は収録してあると嬉しかったかなーみたいなー(^^;
ちなみに、あとがきによれば、この「ダブルクロス・リプレイ・オリジン」はシリーズものとして企画されているものの、本当に次が出るか否かは本作の売れ行き次第で決まるとのコト(汗)。……ってなワケで、ダブルクロスのファンでもっとリプレイが読みたい方は、人から借りるのではなく、自分で買うことを強くオススメしますよん(苦笑)。


→ 合計:021冊(小説14冊 / 漫画4冊 / その他3冊)