漫画だけでなく小説も読んでますよ

えー……。上の話は、何だかまとまりが付かなくなってきたので、強制的にではありますが、この辺で一度切ってしまいたいと思います(苦笑)。で、以下は別の本の話・書評でも。
ちょっと前の日記にも書いたんですが、ここ最近は、別に本自体を読んでいないというワケでは無いものの、仕事がバタついてるせいもあって、どーにも書評を書く時間が取れないんですよねー……。なので、ついつい100冊読書クラブでの活動・記録更新も滞りがちなんですが、今週は読んだ本の中に個人的にかなりヒットした作品が1冊あったので、読後で書評待ち状態にあるいくつかのストックを飛ばしてでも、その興奮が醒めないうちに書評を書いてしまおうかと思います。
ちなみにそのヒットした良作というのはコチラ、C・S・ルイス氏の作品で、ナルニア国物語1巻の「ライオンと魔女」でっす。ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

毛皮のカーテンをくぐり異世界の旅へ

私は特別ディズニーが好きというワケじゃないんですが、来春にディズニーから映画化されるということで、ネットや雑誌などで結構評判になっていた & コチラ のサイト様の“NARNIA”というFlashに触発されたこともあり、先日本屋で見掛けた時に、つい衝動的に買ってしまったのが、この「ライオンと魔女」なんですが。
いやー、これが実に面白い! 一応、主な読者層としては小学校高学年あたりをターゲットとしている作品なんですが、大人が読んでも普通に楽しめ、更には、既に50年以上も昔の作品だというのに、最近の下手な大人(一般)向けの作品よりもずっと面白いというのだから、作者のルイス氏には何とも頭が下がります。


第二次世界大戦の影響でイギリスの田舎町に疎開を余儀なくされた、ピーターやルーシィを初めとする4人の兄妹たち。しかし彼らはそこで、不思議な異世界ナルニア”へと続く道を持つ古びたワードローブを見付ける。彼らは好奇心などからナルニアへと赴くが、そこは夢に満ち溢れた世界などではなく、現在は白い魔女によって永遠に冬が続く厳しい世界となっていた。果たして彼らは、この世界の危機に現れるという偉大なるライオン・アスランと共に、白い魔女の支配からこのナルニアを救うことが出来るのだろうか。
……というのが、この巻の大まかなストーリーなんですが。目新しさや意外性こそ盛り込まれていないものの、読んでいて個人的には、ハリー・ポッター指輪物語以上にファンタジーらしい魅力に満ちた作品だと思えました。
これ以上無いと思えるほどに王道なストーリー展開と、それぞれの魅力に溢れた4人の主人公の子どもたち。そして、アスランやビーバー夫婦といった個性的かつ魅力的な面々と、読んでいて自然と心が浮き浮きとしてくる作品と言えるでしょう。子ども向けファンタジーということで、やや童話めいた印象は強いかも知れませんが、大の大人でも、読んでいてついついのめり込んでしまうような世界観がある作品です。
ちなみに、50年以上も昔の作品ということで、確かに特別な目新しさは無く、また、意外性みたいなものもあまり感じられないということで、そういった視点で作品を評価する人にとっては、さほど良作には感じられないかも知れませんが、ミステリを読むように頭を使うのではなく、ただ作品の世界に没頭する読み方をする分には、かなりの良作だと言えると思いますよ。
また、訳者後書きでは、この作品に秘められたキリスト教的な視点や考え方は……みたいな話も書いてあったりしますが、勿論そういった視点で深読みしつつ読むのも一興だとは思いますが、まずは深いことを考えずに読むと良いんじゃないかと思います。難しいことを考えずに、肩の力を抜いて読む方がずっと面白い作品だと思うので。


オススメの作品を紹介する時、何だか最近はこればっかりな気もしますが(苦笑)とにかく一度手に取って読んでみて下さい。込み入った話が好きか、あるいは単純な話が好きか、といった差はあるかと思いますが、ファンタジー好きなら読んでみて損は無いんじゃないでしょうか。
あるいは、来春のディズニー映画を心待ちにしている人は、映画館での感動に備えて、ネタバレ回避のため原作読まないという選択もアリだとは思いますが、原作を先に読み、映画では映像や出演者たちの演技を最大限楽しむ……なんていう楽しみ方もアリじゃないっすかねー?(^^;
全部で第7巻まで出ているこのナルニア国物語。とりあえず、私は全部読んで書評を書いてみる予定ですので、あまり趣味に合わなかった方には申し訳ありませんが、まぁ今しばらくのお付き合いをお願い致します m(_ _)m


→ 合計:012冊(小説9冊 / 漫画2冊 / その他1冊)