美的センスってやっぱり遺伝するのかしら

惰性だかコダワリだかは分かりませんが、何となく続いてしまっているこの武装錬金単行本レビューも、ふと気付けばとうとう5巻目。
そして5巻といえば、これは私見だけど、恐らく打ち切りの引き金となったであろう、ヴィクターの登場&カズキのヴィクター化スタートですよ(涙)。武装錬金 5 (ジャンプコミックス)

真正面から見たあなたの顔って、結局どんな塩梅なのよ

ヴィクターの登場など、本誌掲載が打ち切られた今となっては色々と物悲しさを覚えるような点もありますが、やはりこの5巻の一番の売りと言えば、クラスメイトたちを助けるべく学校に駆け付けたカズキと友人らとの掛け合いと、そして、前に進むことを望むパピヨンと現状に満足してしまったドクトル・バタフライという対照的な2人の戦いに尽きるでしょう。


前巻(4巻)に引き続き、戦闘シーンに多くのページを割いているにも関わらず、前巻よりも面白く感じるのは、ストーリーがかなり濃く詰め込まれているせいもあるんだろうけど、それ以上に、戦闘シーンの合間に織り込まれる会話・掛け合いが面白いからなんだろうなー。
和月氏のスキル・アビリティとしては、やはり戦闘シーンの描写に一日の長があることは間違いないんだけど、この作品の一番熱狂的な読者層が、一般的なジャンプの読者である子どもたちではなく、むしろ10代半ば以降やヲタク層であったことを考えると、戦闘シーンも勿論面白いとは思うんだけど、それ以上に、こうした掛け合いのシーンが要所要所にあると一層良いと思えるんですよ。
……まぁ、もう打ち切られてしまった作品なんで、何を言っても全ては後の祭りなんだけどさ(T_T)


また、ストーリー展開や上記の描写とは別に、キャラ立ちや絵的な面白さという点においても、この5巻は結構魅力あるカンジに仕上がってますねー。
正直、明らかに人型の範疇を超えているであろうホムンクルス調整体&更にその怪しげな巨大化(苦笑)はどーかと思う部分もあるけど、ブラボーのシルバースキンA・Tは純粋に格好良いと思えるし、こちらも怪しいことは間違いないんだけど、ムーンフェイスの分裂増殖も絵的に面白いカンジだったし。
それにしても、ムーンフェイスの正面顔って気になるよなぁ。これは次の6巻での話になるけど、微妙に復活を促すような描写もあったことだし、夏の赤マルでチラリとでも登場してくれると嬉しいんだけど……まぁ無理だろーな(汗)。
単行本も5巻目ということで、さすがにこの巻から読み始める人はいないと思いますが、もし4巻目のカズキ&斗貴子vs早坂姉弟で読むのを止めてしまった人がいるなら、この巻は全体を通しての雰囲気としては3巻とかのノリに近いと思うし、パピヨン武装錬金を使って戦闘で活躍してるので、頑張って読んでみて損は無いと思いますよー。