仕方が無いので、書評でも

……午後になるも、未だに派遣会社からは連絡無し。
個人の特性なので仕方が無いのだが、ストレスが溜まりっ放しです(--;)
と、ゆーワケで。気晴らしも兼ねて、昨日に引き続きページを重くするだけの小説の感想などでも。

そーいえば、未だにウチの近くの田んぼには案山子があるなぁ

今日取り上げるのは、昨日の「陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)」に続き、同じく伊坂幸太郎さんの作品で、「オーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫)」っす。




……実はここだけの話、私はこの作品はあんまり好きじゃないかも。いや、普通に読む分には、読み物としては十二分に楽しめるし、独特の不条理でシュールな世界観は、はっきり言ってかなり自分の好みですよ、ええ。
ただねー……。どーしたことか、どーにもこの作品をいくら読んでても、目の前に作品で描かれてる世界が、全体的なビジュアル的に思い浮かんで来ないんですよ。
一種のシュールレアリスムの世界なんだから、そんなものは一部だけが想像できて、あとは曖昧でも良いのかも知れない……とも思うんだけどねー。でもやっぱり、全体的なビジュアルが浮かんでこないってのは、私にとっては結構な痛手だったりするんスよ。


特に、物語の舞台になっているのは「萩島」という架空の島なんだけど、この島の全体図とか、島の雰囲気を含めたビジュアル的なイメージが何となく漠然としてしまうのが、個人的に一番引っ掛かってしまう部分。作中で主人公たちが島のあちこちを動き回る描写が多いだけに、これが上手く想像できないのが、自分として嫌なのよねー。
あとは、後輪ではなく前輪にスタンドが付いた自転車って何じゃいとか、島における一種の“ルール”でもある処刑人、桜の持つ銃はリボルバーなのかオートマティックなのかとか……。作品の本筋から見れば些細な点でしかない部分が、個人的には結構気になってしまったり。
おっかしいなぁ。「陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)」では、同じような曖昧な描写があっても然程気にならなかったんだけどなぁ……。
まぁ、問題なのは作品の描写ではなく、私の想像力の問題である可能性は高いけどねっ!(汗)




……などと、見事に主観と偏見に満ち溢れた感想になってしまったけれど、現時点で伊坂さんの作品で文庫本になっている唯一の作品であるというのは、やはり人にオススメする上では結構なポイントかも。
とはいえ、伊坂さんの他の作品に比べ、かなり独特の世界観を持っているのは間違いと思われる一冊。描写については個人的な不満を述べてしまったものの、作品の独自のシュールな世界観そのものは非常に好きなので、密かに続編も期待していますが、人にオススメする際には、その人の好きな作品の傾向などを踏まえた上で紹介することを勧めます。
そーじゃないと、このシュールな世界が合わない人は、最後まで読んでくれない危険性も考えられるので(汗)