夢に積載制限は有るや無しや

今さっき、よーやく家に帰って来ました。いやー、東京は東京でも、野方なんていう所にまで行ったのは初めてやったわー。乗り継ぎにも散々迷ったし(苦笑)。
そして、何故わざわざそんな(有名な繁華街というワケでも無いような)初めての場所にまで足を伸ばしたかというと、水曜日の日記にも少し書いたんだけど、丁度この週末、そこで気になる内容の公演をやっている劇団があったので、その舞台を観に行って来ました(^^;
ちなみにその観た公演というのは、劇団“深空地帯”様の演目で、『PAYLOAD』という作品でっす。


で、いつものように(苦笑)以下は極力ネタバレを避けた感想なんですが……スミマセン、今回はちと危険なラインのスレスレまで踏み込んでる可能性があるので、お手数ですが、内容について知りたくない方は、この後の文章は読み飛ばして頂けますよう、お願い致します m(_ _)m
さてさて、では観た感想についてですが。うーん……バッサリ切ってしまうならば、面白かったには面白かったんですが、自分にとっては、あまり好みの内容ではありませんでした。一応、公演のチラシに書かれていたキーワードが、“夢をあきらめる。”だったので、ある程度は、安易なハッピーエンドのオチにはならないだろーなー……とは思ってたんですが……。
私個人の好みとしては、今回の作品のような、“観た人それぞれが、登場人物たちの行く末を考える余地が多いオチ”よりは、“それぞれの行く末や方向性が、ある程度見える・見えてしまうオチ”とか、あるいはいっそ、そんなことを考えさせないような締め方という方が好みなんですよねー。そういう意味では、今回の演目は、最後のシーンで少々評価し辛くなってしまった部分はありました。


あと、無責任な観客・外野として(汗)ちと厳しい意見を述べさせて頂くなら、舞台の端々に見られた伏線の回収が今一つだったような気がするかなー。とある食べ物に関しては、キッチリと後の場面の中で伏線を拾ってたんで“上手いな”と思ったんだけど、役者さんの細かい演技や表情など、他のいくつかの伏線っぽいフリがそのままになってしまっていたのは、個人的には“惜しいなぁ”と思えてしまいました。
まぁ、それも含めて作品の余韻だと解釈するならば、それほど拘る必要は無いのかも知れないけど……でも、折角食べ物の伏線を拾うだけの気遣いがあったなら、他の伏線についても、何らかの形で回収して欲しかったなぁ……ってのが、観ていて思った正直な感想だったりします。
それというのも、役者の方々の細かい動きとか舞台演出とか、お客の目を楽しませるという意味を持つ他の部分の出来がかなり良かっただけに、少々そういった点が目に付いてしまったように思えるんですよねー。……って、全てに完璧を求めるのは、流石に無理難題というものですが(^^;
それと最後に、これはすっげぇ独り善がりな私見 & ネタバレになってしまうような感想だけど、今社会で働いている人々の多くが、かつてはパイロットやプロ野球選手を夢見てそして諦めた男の子であり、あるいは、かつてナースやフライトアテンダントを夢見て諦めた女の子である以上、どうせ夢と現実というテーマを扱うのであれば、“夢を諦めた先、厳しく忙しい現実の中にあるものは何か”にまで踏み込んでくれると、個人的には嬉しかったです。
……いや、かく言う私自身も、何度も・いくつもの夢を見ては諦めてここまで来た人間なんで、せめて芝居という夢の中でくらい、そこにある新しい希望とかビジョンってヤツを見たかったなー……とか思っちまったもんで。


でもまぁ、全体を通して言えば、休日にわざわざ観に行っただけの甲斐はあったかな? とりあえず、なかなか良い休日だったことだけは確かっすなー。