最近の注目とか

プロファイルにも書いたけど、私は結構読書好きだと自負している。
ので、今後気が向いたら、個人的にお気に入りな小説の紹介なんぞも書いてみようかねぇ。


ギャングスターってイイ響きだよね

ってことで、最初に取り上げるのは、伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)」。
個人の信条として、基本的にネタバレになるようなコトは書かないことにしているので、やや曖昧な文章になるけど、平にご容赦を。


さて、この「陽気な(略)」、一般的な小説の分類から言うと、悪漢小説(ピカレスク)とか犯罪小説(クライムノベル)に分類されるかと思うのだが、実は私、個人的には、これは推理小説であると思ったりしている。
確かに、主人公たちは(表の顔は別にあるものの)プロの銀行強盗集団で、作品の中でも立派に(?)銀行強盗を務めてくれている。彼らの仕事は強盗であり、まかり間違っても、警察や探偵では無い。……いや、探偵の真似事はしてるか。
まぁ、それはさておき。では、何故これが推理小説なのか? そこに事件があるから? 不可解な殺人が行われているから? 主人公たちが悪人と対峙するシーンがあるから? 確かに、それらは一般的な推理小説と切っても切り離せない関係にあるだろう。しかし、この小説を推理小説たらしめているのは、そういった要素があるからではない。
この作品が推理小説である理由。それは、最後の“どんでん返し”、並びに伏線の回収が見事すぎるほどに決まっているからである。
これは推理小説に限らずだが、連載モノや書き下ろしモノのいずれにも、伏線投げっ放し放置型の作品が多い昨今、ここまで全ての伏線を回収してくれると、爽快感を覚えるどころか、それを通り越して、背筋が寒くなる思いすらしてくる。とにかく、それくらい見事なのだ。
……っつーか、ドストエフスキー絡みのアレってば、あそこでまた出てくるのかよっ! 更に、インパクトだけは強いあの人物が、あそこでコイツらに関わってくるとはっ! ……と、実に美味しい作品であることは間違いないはず。出来れば、仕事とか用事とかの無い日に、頭から一気に読みきってしまうのがオススメ。伏線のショックや楽しさはそれが一番大きいかと思うので。


何だか、作品の紹介だか感想だか分からないモノをうだうだと垂れ流してしまいましたが、とにかくミステリ系の作品が好きな人には是非オススメの一冊。
伊坂幸太郎が好きな人の中には、既にそいつは読んでるぜって人も多いかも知れないけど、個人的には、まだこの人の作品に触れたことの無い人間を引きずり込む(笑)のにも適した一冊かと思いますよ。是非、普及にご協力をっ(^^;