とか言いつつ実は今日も

小説ではなく、漫画とかが中心ではあったものの、家に引き篭もりつつ、本の再読やら積読の消化やらはしていたんですけどね。
まぁそんなワケで。どーせ家から出てない以上他にネタも無いというコトで、今日はその読んだ本の中から、内山靖二郎氏によるクトゥルフ神話TRPGクトゥルフと帝国) リプレイ、「白無垢の仮面」 の感想なんぞを書いてみようかと思いまっす。



神に祈れ、決して目覚めないで下さいと

えーと、とりあえず以下、この手の本の感想やら書評やらを書く時にはお決まりの前置きとなっておりますが、“TRPG” やら “リプレイ” やらといった単語自体をご存じないという方には、誠に申し訳ありませんが、私がココでヘタな説明をするよりも、もっと他の上手な説明が書かれているサイト様とかをご参照して頂くとしまして、読後の感想とかについてなんですが。


いやー、実に面白い & TRPGしたい欲をそそられるリプレイでしたよ、ハイ!(笑) 初めに、粗筋と言うか物語の舞台設定みたいなものを簡単に説明させて頂きますと、クトゥルフ神話に描かれている神々やら怪物やらが実際に存在する1930年代の東京の舞台に、一人の奇妙な少女と謎の組織を巡って、探索者 (PC) たちはそれぞれの立場から、宇宙的恐怖 (コズミックホラー) が待ち受ける真実へと突き進んでいく……というのが、大まかな流れなワケですが。
とりあえず読後の最初の感想としては、何と言うか、このリプレイはかなり読者を意識しているというか、クトゥルフと帝国、あるいはクトゥルフ神話TPRGを遊ぶ上での指針となるような、かなりオーソドックスっぽい形でのプレイをしているなー、というのが一番印象的でしたねー。……や、もっともそんなコトを偉そうに言ってはみたものの、かく言う自分は、ホラーもののTRPGを遊んだ経験ってのがほとんど皆無だったりするんですけどね(汗)。
でもやっぱり、クトゥルフ神話の神々やら怪物やらが出て来て、尚且つそれらに真正面から対峙するような手段の無いような世界観で物語を遊ぶ上では、序盤では決して神々もその眷属たちも姿を見せることなく、ただ彼らの関与・介入による違和感や恐怖感のみをPCには与えておいて、んでもってラストのシーンでは、知恵と勇気とを全力で振り絞ってようやく退治出来るくらいの怪物が登場するか、もしくは、その姿をちらりとだけ垣間見せた神に恐怖しつつも、必死に彼らから逃げて現実に戻ろうと努力する……というのが、正しいというかオーソドックスなシナリオ構成だと思うんですよねー。
そして、この本では実際にそのオーソドックスなシナリオ構成ってヤツがキッチリ為されていて、その反面、こちらの予想を裏切ったり突発的だったりするホラー・恐怖こそあまり無いものの、でもそういったサプライズ的な要素が少ない内容になっているというのは決して悪いことでは無く、むしろ、例えばソードワールドのような 「剣と魔法のファンタジー」 的なメジャーな世界観ではないシステムのリプレイを出す上では、ただ単に “面白い物語” を読み物として提供すること以上に、リプレイを通じてこーいう遊び方の指針を明確に打ち出すというのは非常に大事なことだと個人的には思った……という次第でして。
あ、勿論この本に限っては、そこでプレイしているシナリオ・物語自体も十分に面白そうで、ただ単に読み物として読んでも、なかなかに楽しめる本になってたりもするんですけどね(^^;


まぁそんなこんなで総括としては、クトゥルフ神話TRPGというものに興味があるという人であれば、(今回は世界観が 「クトゥルフと帝国」 に基づく為、その辺はやや好みが分かれるかも知れないものの) 読んで損は無いのでは、と思える出来だと自分は感じましたねー。……もっとも、この評価には、自分が明治大正時代の日本が好きだと言う加点要素の部分が加味されている可能性は結構あったりしますが(苦笑)。
でもとにかく、TRPGプレイヤーは勿論のこと、小説に留まらないクトゥルフ神話的作品というものに興味がある人には是非とも手に取って欲しい・読んで作品だなー、と自分は思いましたよ、ハイ。


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